ブログ記事一覧
新年のごあいさつ
皆様、新年明けましておめでとうございます。 旧年中は皆様にご愛顧頂きまして誠にありがとうございました。
本年も引き続きご用命頂きます様お願い申し上げます。
年頭にあたりまして3点ごあいさつ申し上げます。
まず一つ目、新型コロナウイルス感染症についてです。 新型コロナウイルス感染症が世間に出回って早くも丸3年の月日が経ちます。今も第8波、第9波が来ている中、商いを回して行くにはコロナ以前のような訪問販売主体の弊社ビジネスモデルもうまく立ち行かない状況が続いているのも事実です。そして寺院様におかれては主要な行事や晋山式(入寺式)、各種落慶法要、宗派毎の大きな法要等が中止、延期、規模縮小など様々な形で見直されることとなったことはご承知の通りです。檀信徒におかれても年忌法要の中止や延期、規模縮小と葬儀の最小化による家族葬、当日葬、直葬など今まででは考えられなかったことが日常となって法式も本来の形から知恵を絞られた形で最小限行われることが常態化して来ました。それにより、法衣、袈裟も葬儀会館主体に合わせた物の問い合わせや商談が多くなって来ました。弊社もご要望に応じた御袈裟をご提案してまいりますので是非、お問合せ下さい。
二番目に世界情勢と物価高騰に影響についてです。
昨年の春以降、法衣、御袈裟、修多羅、佛具、御香、念珠、かばん、草履、塔婆、御札、御守、クリーニング、お直し修繕サービス提供など、ありとあらゆるものが値上げとなり今年に入って弊社もコストアップを吸収することは困難な状況となり価格改定をさせて頂きました。(年末のカレンダー配布の折にお配りしております価格表をご参照下さい。お手元に配布できていない場合お問合せ下さい。) 世界的に上昇を続ける金相場を反映して金襴を用いた袈裟関連では20%を超える上昇、木材、パルプ、紙を原料としたものも10%以上上昇、中には入手困難なものも出てきています。お香において伽羅は日本ではもう入手出来ませんし流通もしていません。念珠ではインド翡翠は手に入りません。枯渇したとも言われています。代替のビルマ翡翠などが辛うじて入手できる程度です。木製の星月もその価値により上昇しています。塔婆も海外からの木材輸入が品薄の上に燃料コスト、為替の円安により10%以上の高騰です。主力の御衣の正絹生地製造産地の新潟五泉も数年前には20社を超える会社がありましたが今はほんの数社しかなく、福井方面と合わせても激減しています。正絹の原材料は中国がほぼ占めており、ウイグル地区での不当労働問題、為替の円安、コロナでの輸出規制があり大きく御衣の原材料費の高騰に繋がっています。さらに生地をさまざまな色に染める色染め、黒染め、生地をノリ付けての張りも燃料費の高騰と需要の減少、職人の高齢化と担い手不足、賃金上昇もあり大幅なアップとなりました。 御袈裟、法衣のお手入れにおけるクリーニングや修繕、お直しも昨年10月の最低賃金の引上げ、世界的な原油高騰、為替変動による円安、ウクライナとロシアによる戦争の影響により20%以上の上昇となっています。
三番目として日本社会のライフスタイルの変化、寺院様の環境、そして伝承産業について
10年以上前は日本では仏教寺院は宗派をすべて足し合わせれば10万件と言われていましたが 今では兼務寺院や廃寺もあり実質的には半分程度に迫りつつあるとの報告もあります。つまりコンビニ全数より少なくなったようです。昔は法衣仏具の世界は景気に左右されないと聞かされていましたが今では大きく時代が様変わりし斜陽産業になって来ました。 檀家減少等により地方の限界集落になりつつある寺院様も運営が大変厳しい状況が続いています。葬儀においては人数的には団鬼の世代の方々が寿命を迎えられる年齢となられてここ10年程数は減りませんが親戚、縁者、友人やご近所を交えた葬儀はほぼなくなり、僧侶も導師ひとりが当たり前のようになって来ました。家族葬中心となりお布施、その他供養に必要な費用も十分に頂けない現実があります。僧侶が檀信徒の仏壇にお参りすることも減ったり、全く無いケースもあるようです。お墓においても納骨だけで墓を持たないケースや納骨壇や合祀塔による供養になっているところもあります。それは日本の住宅事情も西洋式の洋間が中心となり従来型の仏壇やその宗派象徴の御軸は需要が激減しています。部屋にマッチした家具調やインテリアとしてのモニュメント的な仏壇的なものに置き換わって来ています。 その後の年忌法要も信仰心の希薄化とわずらわしさが重なり行われないこともありコロナ禍の影響で更に拍車がかかったように思われます。よって地域の仏壇店などは廃業も多く仕出し屋、供養品を扱う商いもそして法衣佛具の業界も苦戦を強いられています。
最後になりますが弊社を取り巻く環境は大変厳しい状況ではありますが、環境や時代に適応した形で寺院様や僧侶様に接してこの難題を解決できご提案できるようにお力になれる会社であり続けたいと考えております。 西陣織の金襴緞子生地などはお袈裟以外の用途も模索して美術品のような価値も見いだせると考えます。 一般の方々には近年人気が出てきた作務衣を普段使いの作業やだんらんで着用して頂きもっと普及 すればいいかと思います。和製フリースのような着方も提案して行きます。よって、今後作務衣も一般の方々にも広めて行きたいと思います。
これからも湯浅與七商店は皆様のご要望に応えられるように精進し愚直に対応してまいります。
従来からの商品カタログや簡易的なパンフレット、ホームページでのECショップの充実、SNS媒体への広告展開等対応して
まいります。 どうかこれからもご用命の程お願い申し上げます。そしてご期待下さい。
年頭にあたりのご挨拶とさせて頂きます。 令和5年1月吉日 湯浅與七商店
六代目店主 湯浅 正芳
2023-01-05 09:00:00
コメント(0)